典型的理系人の雑記帳

自分の忘備録です。特段書くことは無い気がします。

「30日間返金保証」と「景品表示法」

最近多い「30日間返金保証」

ネット広告業界に足を踏み入れてもう8ヶ月が過ぎようとしています。 まぁ、日常でネットサーフィンしててもネット広告には出会うのですが、 「 満足しなかったら、30日間であれば全額返金保証します! 」っていう広告が増加している感じがします。 まぁ、返金してくれるんだったら、買おうかなって思ったりするわけですが。 そんな便利な制度の について書いているサイトがありました。

www.taiken-smoothie.com

詳しい体験記は上記サイトを見てもらうとして。 問題なのは下記。

  • 広告の初回限定価格は定期購入コースに申し込んだ人のみ
  • 30日間返金保証は、定期購入の1ヶ月分のみ
  • 効果がなくても定期購入2回目以降最低継続分は強制購入

つまり、10000円の商品が初回限定で1000円となる商品の定期購入を申し込む。 しかし、 効果が出ず1ヶ月目に返金制度を利用しても、最低継続が4ヶ月であれば、30000円は支払わなければならない。

健康食品だったり、ダイエット食品でよくある手法ですが、これが許されるのであれば結構ボロい商売って感じがします。 だって、 1個契約取っちゃえば、30000円の収入が安定して入る んですから。 だったら、初めから粗悪品を売って契約いっぱい取っちゃえばいいんじゃないかって思ったり...。

でも...それって 詐欺 だな...。

じゃあ、詐欺なの?

ただ、ページ内に上記の契約になることを表記していない訳ではないのです。 上記の契約になることの理解を遅くするために、それぞれバラバラに書いているランディングページが多い気がします。 (※一部、そういうページがあるって話で全てでは無いと思います。)

そういった意味では、ランディングページの仕様が意図せずとも 消費者を騙す形になりやすい構成 になっていると言えるかもしれません。 でも、そういったネット広告が存在するんだから消費者としては考えて物を買わないといけないって感じです。 「 騙される方が悪い 」って感じの世の中です。 だって、8日以降に返金申請したところで、初回分は返金できても未購入分のクーリング・オフも効きませんから。 この仕組みは上手くできています。 しかも、健康食品とかダイエット食品って自分が意図して買ってるし、効果なんてすぐ出ないし。

法律ってどうなんだろう。

広告にまつわる法律で代表的なのは「 景品表示法 」ではないでしょうか。 まぁ、自分がこの業界に入って良く聞く法律です。

景品表示法|消費者庁

正式名称は「不当景品類及び不当表示防止法」。 法律説明は上記サイトにお任せですが、端的にいうと 提供するサービス/商品を誇大に広告して消費者を騙す・判断を鈍らせるのは禁止です って法律です。

今回のケースは下記に当たるんじゃないかなって思ってます。上記サイトから引用させていただきます。

有利誤認表示(5条2号)

商品・サービスの価格その他取引条件についての不当表示
(1)取引条件について、実際のものよりも取引の相手方に著しく有利であると一般消費者に誤認される表示
例 当選者の100人だけが割安料金で契約できる旨表示していたが、実際には、応募者全員を当選とし、全員に同じ料金で契約させていた場合
(2)取引条件について、競争業者に係るものよりも取引の相手方に著しく有利であると一般消費者に誤認される表示
例 「他社商品の2倍の内容量です」と表示していたが、実際には、他社と同程度の内容量にすぎなかった。

今回の30日間返金保証の件も、結局は「効果がなかったら、返金できる!」と消費者に思い込ませている可能性があるので、 「 有利誤認 」を引き起こす可能性があるんじゃないかなと感じます。 ちゃんと契約条件をランディングページに記載していると言っても1度しかそのページを見ていないユーザーが 誤認するような構成になっているのであれば早急に直した方が良さそうです。

まぁ、今回のようなケースで違反と判定された事例を見つけることはできませんでしたが、 「景品表示法」で違反した場合は 行政指導 が入るそうです。 行政指導が入るだけなので、消費者が損害賠償をかけた裁判などをするにはまた別の話になりそうです。

ちなみに、行政による調査を受ける前に消費者に対し被害保証を行えば罰則の一部である課徴金を減額させることができるそうです。 景品表示法に違反すると科される課徴金とは 罰金とはどこがどう違うのか

何を気をつければいいか

まぁ、「30日間返金保証」って喋ってる広告が蔓延してしまった時点でどうにもなりません...。 コンビニと同じ感覚で、ネットでも物買ってると痛い目見るぞって話です。 そう書いちゃうとネット広告はとても悪質って思っちゃうかもしれませんが、全て悪質って訳じゃないことも忘れずに。

何事もそうですが、契約だったり、商品を購入するときは

契約内容/条件をしっかり確認する

ってことかと思います。ネット世界も現実世界も変わりません。

企業側としては行政処分なんて受けたら、 信用 がガタ落ちで継続的に営業なんてできなくなるかと思います。 ましてや、消費者からの通報で潰れるとか因果応報の何物でも無いです。 粗悪品なんて売ったらネットの口コミに書かれちゃいますし、悪いことは出来ない世の中ってことです。

日本のネット広告では、「日本インタラクティブ広告業界」が インターネット広告倫理綱領及び掲載基準ガイドラインなるものを発行しています。 ネットに広告を出すコストは4マスと比較して低コストですが、悪いことしたときのリスクは大きいので気をつけないといけません。

余談

景品表示法」だけでなく、広告に関わってくる法律に「薬機法」「特定商取引法」「迷惑メール防止法」「個人情報保護法」「金融商品取引法」…さまざまあります。

法律家でもないのに知っとく法律が多いなー...。とか感じます。 まぁ、間違った道に進まないように勉強しないといけないんですが、道のりは長そうです。

参考ページ